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留学コラム
Column

NZとオーストラリアの国旗の違い

ニュージーランドの国旗とオーストラリアの国旗。
あなたは見分けることができますか??
今回はニュージーランドの歴史から見る、国旗デザインについてのコラムです。


Content

ニュージーランド

NZの歴史年表

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ニュージーランドの国旗の話をする前に、NZの独立までの歴史について簡単にご説明します。ニュージーランドは独立国家としての歴史はとても浅いですが、国家誕生前にも様々な歴史が刻まれてきました。マオリ民族の定住から、イギリスによる植民地化、世界初の女性参政権の導入、そしてイギリスからの独立など、ニュージーランドの歴史を知る事で、どのような場面で国旗が誕生し使われてきたのか、その背景も知る事ができるでしょう。イギリスから正式に独立後は、英国連邦の一国となっており、国の政治制度は、イギリス女王を国家元首とする立憲君主制であり、議院内閣制を採用しています。



できごと
13-14世紀

ニュージーランドは、当初無人島であったが、東ポリネシア系のマオリ人が定住する。

1642年

オランダ人のエイベル・タスマンによって発見されたが、彼は南アメリカのチリだと勘違いしていた。
1643年にヘンドリック・ブラウエルにより、再調査された際にチリでは無いと判明。
ラテン語で「新しい海の土地」という意味である「Nova Zeelandia」、英語で「New Sealand」と名付けられ、ニュージーランドの名前の起源となる。

1769年

イギリス人の探検家ジェームス・クックがヨーロッパ人として初めて上陸。
クックが初上陸した際も、「New Sealand」とは発音せず、オランダ語の名残を残した「New Zealand」と呼んだことで、現在のニュージーランドという名が誕生した。クックの上陸以降、多くのヨーロッパ人やアメリカ人が到来することとなる。

1830年頃~

United Tribes flagがニュージーランドを象徴する国旗として使われるように。

1840年

イギリスと複数のマオリ族との間にワイタンギ条約が結ばれ、ニュージーランドはイギリスの植民地となる。イギリス国旗が正式国旗へ変更され、マオリ族から反発が起こる。

1845-1872年

マオリ族がイギリスの植民地政策に反発し、ニュージーランド戦争が勃発。

1869年

現在のニュージーランドの国旗デザインが導入される。

1893年

ニュージーランドは世界で初めて女性に参政権を与える。

1898年

年配者への年金をスタートする。

1902年

現在のニュージーランドの国旗デザインが正式に国旗として制定される。

1907年

イギリスの自治領となる

1914年

第一次世界大戦が勃発。ニュージーランドは何千人もの兵を派遣。
1915年、トルコで行われた「ガリポリ計画」では、多くの兵士が犠牲となった。

1939-1945年

第二次世界大戦中、ニュージーランド兵はヨーロッパ・北アフリカ・太平洋へ派遣される。

1947年

ニュージーランドはイギリス連邦の1国として、正式に独立国家となる。

 



NZの国旗

【デザイン】
・色はロイヤルネイビーがベース
・左上にイギリス国旗のユニオンジャック
・右半分は白く縁取られた4つの赤い星からなり、南半球を象徴する南十字星を表す
【歴史】
ニュージーランドは1947年の独立まで、イギリスの植民地でした。1830年頃よりUnited Tribes flagという旗が使用され始めましたが、1840年にワイタンギ条約が結ばれた際に、イギリス国旗に取って替えられてしまいマオリから大反発がおこります。植民地時代の1869年に現在のデザインの旗が導入されはじめ、ようやく1902年に正式に国旗に制定されました。その後、1947年の独立の際も国旗は変更されず、150年以上この国旗が使用され続けています。

NZ国旗は変更されるはずだった?

2014年、当時の首相ジョン・キーは2016年にNZの国旗変更の是非を国民投票によって行うことを閣議決定しました。100年以上使用してきた国旗を変更するということに賛否両論がありました。国旗変更の賛成派の意見としては、イギリス国旗は植民地を象徴するものであり、独立後の文化や社会を反映したものではないという意見や、他国からオーストラリア国旗と混同されてしまっているため、オリジナルな国旗を制作し、もっと国をアピールして尚且つ経済効果も狙おう!などの意見がありました。一方、反対意見としては、国民投票に何十億もの予算を投じるのは無駄遣いだという野党からの意見、そして戦時中に多くのニュージランド兵が掲げて戦った国旗を変更するべきではないなどの意見がありました。
2015年11月に国民投票がスタートしましたが、インターネットで人気と評されていたデザインが最終デザインに残らないなどの問題や、デザインにあがっていたフェンのデザインが、生物学上ありえない形をしているなど、多くの物議を呼び、2016年3月に「現行国旗を維持する」とした票が過半数を得て、国旗変更はなされませんでした。



オーストラリア

国旗の歴史

admin-ajax01 オーストラリアの国旗は、NZと同様に青色がベースとなり、左上にイギリス国旗、右半分は南半球を象徴する白色の南十字星を、そして左下に6州1準州による連邦を象徴する七稜星を配しています。1901年に現行のデザインが選出され、同9月3日にメルボルンで初めて国旗が揚げられたため、「国旗の日」として国民に親しまれています。1903年に国王エドワード7世は2つの国旗デザインを承認し、青ベースの国旗と赤ベースの国旗と2つの国旗が同時に存在していました。2つの国旗を使うことに国民も混乱し、結局赤い国旗が公共の場で使われるようになりました。しかし、1941年に当時の首相ロバート・メンジーズは青の国旗をナショナルエンブレムとして掲げるよう提唱し、1953年のフラッグアクトでは、青を国旗として、赤の旗をオーストラリアの商船に掲げることに決めました。そして1998年、オーストラリア国旗は国民の同意なしに変更する事は出来ないという法律改正が行われました。NZで国旗変更の議論が上がった際には、オーストラリアにおいても、現行の国旗決定時に国民に選ぶ権利が無かったという主張のもと、国旗を変更しようと議論が勃発し国民投票も行われましたが、オーストラリアにおいても結局変更には至りませんでした。


ニュージーランドとオーストラリア国旗

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こうしてニュージーランドとオーストラリアの国旗の歴史をさかのぼってみると、実はニュージーランド国旗の歴史の方が長いということが分かりました。
両国の国旗のデザインの違いは、「南十字星の色」とオーストラリア国旗にある「6州1準州による連邦を象徴する七稜星」の2つのみです。似ているデザインだなぁと思っていた方も多いと思うのですが、実際もほとんど同様のデザインなのです。
両国とも1800年代後半にイギリスの植民地支配を経て、現在は英国連邦の一国としての独立国家となっていることから、どちらの国旗にも「ユニオンジャック」が、そして2ヶ国とも南半球に位置しているので、象徴する「南十字星」を国旗に表現しており、色以外ほとんど一緒の国旗となってしまいました。もしもオーストラリアが赤の国旗を選んでいたなら、少しは見え方が違ったかもしれませんね。。
一方で、英国連邦の一国といえば、カナダもそうなのですが、1965年にユニオンジャック付きの国旗から、現行のメープル柄でお馴染みのカナダ国旗に変更しています。「赤いメープル柄の国旗といえばカナダ」と誰しもが認識できており、国旗のイメージチェンジに成功しているといえるでしょう。

まとめ
ニュージーランドの歴史ならびに、NZとオーストラリアの国旗についてお話させて頂きましたが、
楽しんで頂けたでしょうか?その国の歴史を知ると、祝日の意味を深く理解することができたり、
どういったことにマオリの人やNZ人が誇りに思ってるのかなど、更に知ることが出来るのではないかと思います。